なんてね

芸大卒。何も表現していない。

未来予想

先々のことを考えて、保険の相談に行った。嫌でも将来のことを考えなければならないのだが、考える材料がない。例えば生命保険に入るとして、月いくらの生活費が必要で、民間の保障でいくら補填するのかという問題。そもそも家計簿をつけてないので、月いくら生活費にあてているのか知らないのだった。

ストレス、持ち物、やることをなるべく減らすという、ミニマリスト的な考えに憧れた結果、何の記録も取らなくなった。

まず家計簿。二人暮らしなので、光熱費の計算とか擦り合わせをする際には必ずもう一人必要で、だいたい片方がやる気になってももう片方は乗り気でない。金を数えれば数えるほどイライラしかしない。丼勘定でも少ないながら貯金はできていた。

次にスケジュール帳。学生時代は日に3つくらい予定を入れたり、変則的なバイトのシフトを書き込んだり重宝していたけれど、社会人ともなれば仕事行って帰って寝る、休日に会う人もいないという有様なので、空白のスケジュールを見るほど悲しくなる。

あと何にしろそうだけど、家計簿やらスケジュール帳やらは書くのをサボると、サボってることに対する罪悪感で無駄にストレスが溜まる。いっそ無い方がいい。

で、このザマである。

昇進するにあたり、まずスケジュール帳を買った。高橋手帳だ。意識高いっしょ。まず数ヶ月のざっくりした計画をフリーページに書く。計画は2つ書く。ひとつはプライベート含めて人生がめちゃくちゃ上手くいったパターン。あくまでリアリティのあるものだ。決して「恋人が就職して世帯収入が増える」とかは書かない。でもう一つが想像の限りを尽くした最悪な人生だ。まあつまり、寝耳に水だの棚からぼた餅だのを除いたトライアンドエラーから自分がどう判断して進んでいくかを、絶好調の場合と絶望的な場合とで書き分ける。そうするとだいたいその範囲内に収まるので安心する。そう、ただ単に安心したいだけなのだった。

これは就活の時にもやっていた。就活しながら卒業制作も確実に仕上げなければならず、最高パターン「5月 内定が出る」最悪パターン「6月  一般職に視野を広げる プロットを完璧に仕上げる」「9月 一度就活を諦めて卒業制作の進捗を40%にする」など書いていた。計画通りにいかないことがかなりのストレスになるので、二つ計画を立てて自分を宥めたのである。

しかし人生は本当に突拍子も無いことが起こる。ゼミのみんなで昼から飲みに行った小汚い料理屋で、苦手な鳥レバーを食べたら私だけ食中毒になる。自分がヌードで出演した学内の映画作品の上映会に行ったら、進学先を教えてないはずの高校の先輩に5年ぶりに再会する(ちなみにこの先輩、3月11日の日記に出てきた、私が主な原因で学校を辞めた人だ)。元彼(すごく嫌い。向こうも)が嫌がらせで実家である喫茶店に来る。などが3日の間に起こるなんて想像しようがない。このあと1週間半、心身をやられて寝込み、病み上がりに最終面接したところで内定が出た。未来なんて予想するだけ無駄なのでは……?あれ?書いてて改めて思ったけど無駄なのでは……?

とりあえずまあ、買ったからには使うしかない。保険を契約した暁には、最悪モードのスケジュール表に「GW明け、入院」と書き込むつもりだ。